メイクが好きだという想いはブラジル人に届かない
メイクが好き。コスメが好き。
デパートに行ったらとりあえずB1(あるいは1階)化粧品売り場だし、とりあえず薬局を散歩する。
このブログを読んでくださっている方はこれが普通かもしれないけど、世間一般で見ると、デパートといえば、新宿高島屋の東急ハンズだろうか、5階のタカノフルーツパーラーだろうか(大好き)。
コレクター癖もあるから、家にはボビーワゴンにどっちゃりとコスメが入ってる。使い切ることは諦めた、というかどう考えても無理ですよね?顔幾つあるんですか?ってもう一人の自分が失笑してる。でも、コスメが好きだから欲しい。
私の好きなものってなんだって問いかけたら、メイクって即答できる。
でも、あなたの趣味は?って聞かれて、メイクって答えられない。
メイクが趣味って伝わるのだろうか。メイクをとったら見るに堪えないおフェイスだから、整形メイクしてるって思われないだろうか。コスメに服にバッグにエステにと、よくドラマにあるような旦那の稼いだお金を自分のために使う浪費女と思われないだろうか。趣味は自分磨きですぅ(キュルン☆)に変換されないだろうか。コスメに興味がない人に、CHANELのジュコントゥラスト#330とクリニークのチークポップ02の違いをどう伝えれば良いのだろうか。カラーポップのラメと、ボビーブラウンのラメの違いをどう説明しろというのか。
前に、部活の飲み会で趣味の話になった。
たまたま私以外は全員男性だったのだけれど、彼らが挙げる趣味といえば、ゲームとか、音楽とか、旅行とか。ありがちだし、その楽しさが分かりやすくて、盛り上がった。全力で聞き役に徹してたのに、気の利く人が私にも話を振ってきおった。
「で、あなたの趣味は?」
「趣味かぁ、音楽とかですかねー(微笑み)」って無難にかわそうとしたのに。「へー、どんな音楽?」とか、「楽器弾くのが好きでー」とか会話のキャッチボールが出来るように考えてたのに。その場にいた私の彼が言いおった。
「あ!?あれでしょ?コスメ!」
その時のピュアな顔よ。彼の無垢な顔。それと同時に引き攣る私の顔と、なんて相槌を打っていいのか必死に考えてるような男性たちの顔よ。
微妙な間があって、さっきの気の利く男性の振り絞った言葉が、「へー、どんなコスメが一番好きなの?マスカラとかチークとか…?」(斬新な質問!あなた、こっち側の人間ですか?新作コスメを手の甲でスウォッチしてる側の人間!?握手してください!手の甲と人差し指、ちょっとラメついてませんか?!)
「えー、カラー物で言えば、カラーポップのスーパーショックシャドウが好きですね、あの、色の豊富さと、発色の良さ、崩れにくさは素晴らしい。あと、やっぱりベース。今使ってるのはMAKE UP FOR EVERのクッションファンデで、あ、クッションファンデっていうのはー…」
無理無理無理無理、これで話広げるのは無理!
だって、ファンデがクリーム、パウダー、クッション、ジェル、スティック、CC、BB etc…が存在していることを知らない人にこの思いをどう伝えればいいのか。私のトークスキルが足りない。
別に、男ウケを狙いたいわけではないけど、男社会の中でわざわざ男性がノレないと分かってる話は避けたかった。
その時は、消えるような声で「ファンデーションです」とだけ答えたけど、まあ、話盛り上がらなかったよね。全力で、「男性って女性がメイクしてるかわかるんですかー?」って方向をずらしたよ(私の通う大学は女子のノーメイク率が高い)。この話も早めに切り上げたけど。
大学受験の時も、面接で趣味を聞かれることがあるからと、趣味を考えたけど、もちろんメイクとは答えなかった。
メイクの次に好きなのは、美味しいものを食べることなんだけど、グルメってどう思われるのかなーって悩んでたら、彼が「わざわざ高いお金を払って、色んなところに行って、美味しいものを食べることの良さが分からない奴に評価されてたまるか」って、謎の味方をしてくれた。こちとら評価されないと大学入れないんですけどね。
わざわざ百貨店に通い詰めて、限定の新色をゲットして、SUQQUのピュアカラーブラッシュを手の甲に付ける気持ちよさが分からない奴に評価されてたまるか!
とは、思わない。私はひっそりと暮らしたい。このブログと、ブログで繋がるコスメ好きさんと、コスメが好きな友達と、熱い話ができるだけでいい。
話のタネになる趣味が欲しい。あるいは、コスメで場を盛り上げられる程のトーク力が欲しい。